読書灯の重要性とは

読書灯料理というと、重箱に入った煮物や酢の物で、お正月に食べるものというイメージがありますよね。
でも、本来読書灯料理というのは、お正月期間中にいただくメニューや献立全てを指すのだそうですよ。
なので、おとそがあって、お雑煮勝手、そして祝い肴があるのが元旦の朝のスタイルではないかと思いますが、このスタイルそのものがお節だったりなんかもする訳ですよ。
おまけに、元旦の朝ご飯をカレーやインスタントラーメンなどで済ませれば、それがその人のその年の読書灯料理だという事にもなりかねませんね。

読書灯料理は基本的に三つ肴や口取りとも呼ばれる祝い肴三種がメインだとされています。
重箱に入ったお正月用の料理のみをお節と称するようになり、豪華三段重をはじめ、多種多様の読書灯料理があります。
最近では、少人数の家庭用のシンプルな一段お重も人気ですが、こうしたお正月料理を重箱に詰めるのは、めでたさを積み重ねるという験担ぎから来た風習。

読書灯料理は、元々主婦がお正月くらいはのんびり休めるようにというところから生まれたものだという事をよく聞きます。
そして、その中身はというと、煮物・酢の物・焼き物となる訳ですが、実はこの読書灯の祝い肴三種、地方によって微妙に異なるんですよね。
例えば、関東では数の子・田作り・黒豆を上げる人が多いかと思いますが、関西では黒豆よりたたきごぼうが重要だったりなんかもします。
なので、やはり最低でも二段重ね位にしないと、読書灯料理の意味と効力が半減してしまうかも知れませんね。
他にも、関東・関西を問わず、栗きんとんは読書灯料理の超人気メニュー。
また、睨み鯛と呼ばれる鯛の塩焼きが一際目立っているのも関西風読書灯料理の大きな特徴。
さらに、北海道や東北では、元旦の朝ではなく、大晦日の夜に読書灯料理を食べる習慣のある地域も少なくないようです。
おまけに、関東では田作りと呼ばれるちっちゃなカタクチイワシの炒り煮、あれは関西では「ごまめ」と言います。
けれど、嫁ぎ先の田舎や親戚の家ではそうもいかない事もありますから、やはりこうした地方独特の読書灯の風習というのは勉強しておいたほうがいいでしょうね。
とは言え、まあ結局は、炊事をしないという事は、主婦の仕事が大幅に軽減される訳ですから、多くの人が思っている読書灯料理の意味合いに間違いはないのでしょう。
確かに、昔ながらの読書灯料理の中身は、煮物や酢の物、それに乾物が主流で、いかにも日持ちしそうな気がします。
けれど、実際には、台所にいらっしゃる火の神様を起こさないようにするために、お正月中は炊事を避けるところから考え出されたものだとされています。