自律神経の検査の裏技です
自律神経というのは、非常に自覚症状の出やすい内臓疾患だと言えるでしょう。
けれど、その反面、自律神経は、職場などの健康診断では案外発見されにくい病気でもあります。
それは恐らく、問診に頼る部分が多いのと、胃カメラを使用せず、バリウム検査だけで健康診断を済まされる場合も少なくないからではないかと思われます。
患者さんにとっては、非常に辛い検査ですが、これによって、食道の粘膜にびらんや潰瘍が発見されれば、そこで自律神経である事が判明します。
従って、自律神経には、世界共通の専用問診票とも言える「QUEST問診票」が用いられるほど、問診が非常に重要なのです。
因みに、びらんというのは粘膜のただれの事で、潰瘍は組織破壊が診られる事、このいずれかの症状の有無と進行具合で、今の病気の重傷度が分かる訳です。
内視鏡で食道内の粘膜の状態を見る事で、自律神経であるかいなかと、その度合いがほぼ明確になるとされているからです。
その際使用されるのが「上部消化管内視鏡」と呼ばれる内視鏡、所謂胃カメラで、鼻か口から挿入して、モニターで食道内部の様子を診て行きます。
自律神経の検査は、大抵問診と内視鏡検査の2本立てで行なわれます。
ではでは、何故、自律神経は、健康診断で判明しにくいのでしょうか。
確かに、びらんや潰瘍がなければ、「非びらん性胃食道逆流症」という病名が告げられる事が圧倒的多数でしょう。
ただし、どんなに立派な資料に基づき、どんなに大切な質問をされても、患者がアバウトに答えていては、何の意味もありません。
自律神経の検査は、先ほどもご説明したように、基本的には問診と内視鏡検査の2本立てで行なわれます。
けれど、これはあくまでも、食道の粘膜にびらんや潰瘍などが診られ、自律神経である事が明らかになった場合の話。
そこで、内視鏡検査の際に病変部分の組織を一部切り取り、本当に自律神経を発症しているのか、それともガンの疑いがあるのかを改めて病理検査する事になります。
また、患者さんによっては、どうしても内視鏡検査が難しい方もいらっしゃいますから、その場合は、薬を服用し、1週間ほど様子を見るという方法が取られる事もあるそうです。
健康診断で自律神経が判明しにくいのは、このアバウトな問診の応答にもそれなりの原因があるのではないかと私は思いますね。
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