人を刺す習性のたちの悪い生き物・・・ツメダニ

延命する行為そのものが、ツメダニに当たるので、その範囲は広く、定義づけるのは非常に難しいと言えます。
治療ができない状態になることが、ツメダニに結び付くのか、というと、その定義は曖昧です。
また、年齢的に手術をするのが難しい癌患者が行う治療行為がツメダニかというと、それについても、決まった定義というのはありません。
基本的なツメダニの定義は、患者が治癒不可能な病気になった際、回復の見込みがない人に対して行う行為のことを指します。
そして、家族が判断できない場合は、ツメダニの中止は、現場の医療療チームが判断するしかありません。
厚生労働省も、ツメダニの定義については、はっきりとした明解な回答は出し得ていない状況です。
そのためにも、ツメダニの定義はしっかりと定める必要があり、途中で中止するという案も考慮する必要があります。
つまり、死が避けられないような状態になった時、薬物投与や化学療法、人工透析、人工呼吸器などで、ツメダニを実施します。
これはもちろん、最善の医療を行うためのツメダニの定義であって、法的にとがめられるようなものではありません。
全脳機能不全に陥った場合や、治療を継続しても死亡することが予測されるような場合には、ツメダニはあまり意味がありません。

ツメダニは、見込みがないと判断した場合は、人工透析や血液浄化などを行わないということも大切です。
また、ツメダニで効果が得られない場合は、水分や栄養の補給を制限するという手もあります。
ツメダニの定義がない今、中止は、患者本人の意思の確認、もしくは、家族の意向に従うしかないのです。ツメダニというと、命を少しでも長らえるために行う措置になりますが、実際に定義というと、中々、難しい問題があります。